Mac と iOS で同期して使える実験ノートアプリ Findings 2 が新バージョンで登場

All your reseach, in one place… ということで、これだけあれば研究の計画から実行まで一通りできちゃうよ、という触れ込みです。Ver. 1 から多機能ではあったのですが、Ver. 2 になってインターフェースのデザインが大幅に改善しました。従来よりも操作性に統一感がでて、使いやすくなった印象です。

どのくらい All your reseach, in one place なのかは、新規エントリで作成できる項目を見るだけでも伝わるかもしれません。

  • 実験の詳細な記録をステップバイステップで残す Experiments
  • 新しい研究を計画してグラントに応募する Reseach Note
  • 研究グループの会議や学会でのノートを記録する Meeting Note
  • ちょっとしたメモやToDoリストを書き込む Sticky
  • スタンドアローンでも、実験ノートのステップごとに設定して使うこともできる Timer
  • よく使う実験手順を登録しておいて、実験を組み立てるのに便利に使える Protocol

画面の構成

起動後にアプリ画面の見方を自動で解説してくれるので、そのシーンをスクリーンショットでまとめてみました。

左の枠にはエントリーがタイプ別に格納されます。Type の部分を見ていくと、Experiments や Meetings, Stickies とタイプ別に分類されていますね。うまく使い分けて研究生活のあらゆる側面を記録しましょう、とのこと。

その下には Status コーナー。新規に立ち上げたエントリーは ongoing (継続中)で、進行に従って in Review (検討中)や Completed にマークして整理できます。

実際に Types や Status の項目を選んでクリックすると、そこに格納されたエントリーの一覧が右隣の枠に現れてきます。最近のメールアプリやメモアプリなどによくあるデザインですね。標準では時系列表示ですが、タイトル順に変更したり、昇順降順の入れ替えも可能。一番上の虫眼鏡アイコンをクリックすると検索窓がでてきてエントリーを検索できます。

検索窓の右に出てくるアイコンを使えば、status や date、author、後で出てくる collection などで結果を絞り込むこともできますよ。

さて、それではエントリーリストから実際に一つクリックしてみましょう。すると、一番右のエディター枠にエントリーの詳細な内容が表示されてきます。

一番右の大きな枠がテキストエディターで、ここにエントリーの内容を記録していきます。

エントリーは日付 date や添付ファイル attachments, タイマー timers, 付箋 stickies など色々なものを格納することができます。基本的には要素の使い方・組み合わせ方は自由なので、なんだって記録しましょう。

使っていくとエントリーはどんどん増えていきますが、もちろん、時系列とタイトル順以外にもエントリーを分かりやすく分類する方法が用意されています。

それがコレクション Collections。作ったエントリーは、コレクションにまとめて整理することができます。例では、すごいプロジェクト、ジェーンの実験、研究室のミーティング、6xHis Probe…などがありますね。好きに整理しましょう。

コレクションはアイコンの見た目の通り、フォルダのようなものです。ドラッグして順番を入れ替えたり、他のコレクションの中にコレクションを入れる=ネストすることもできます。たくさんの仕事に取り組んでいても大丈夫。

そして、私の思う Findings のいいところイチオシポイントがこちら↓

プロトコル Protocols は、これまで紹介した Entries と同じレベルに位置づけられるもう一つの特徴的な項目です。何度も繰り返し取り組むような作業、ありますよね。そういうのは、一連の手順や内容の解説をまとめてプロトコルとして登録しましょう。登録したプロトコルは、ワンクリックで実験ノートなどのエントリーに流し込めるようになります。これでもう、同じような手順を何度も打ち込んだり、最後に同じような実験をしたエントリーを探してコピーしてくる必要はありません。

あらかじめ、生化学系を中心にいろいろな内容のプロトコルが用意されていますので(デザートのレシピまで!)、それらを参考にして自分の実験手順を入力していきましょう。

ちなみに右上のバインダーのアイコンをクリックするとジャーナル(Journal)が開きます。これまでに記録した全てのエントリーが、自動的に、時系列で月ごとにまとめて表示されます。

いろいろなエントリをコレクションなどで自由に整理整頓して使える一方で、ジャーナルを開きさえすればいつでも、一冊の実験ノートとして過去から現在までの仕事を一覧することができるのは嬉しい。

ジャーナルはアプリ内での表示に加えて、月ごとに個別の PDF 形式が自動で生成されています。Finder からそれらを表示することもできます。

 

ちょっと嬉しいのが、Resource コーナー。周期表やアミノ酸の一覧などの、時々参照したくなる情報シートが収録されています。Mix Calculator では溶液の調製に必要な基本レシピをテキストで入力しておけば、非常に単純にその何倍量かを用意するときのそれぞれの分量を表示してくれます。もう一歩ひねって、モル計算まわりも一通りできる計算機を内蔵してくれたら嬉しいかも。

iOS版と同期

Findings には iOS アプリもあり、こちらもなかなか使いやすいです。Mac 版とは Dropbox 経由でデータを同期できます。公式サイトでは “Mac は水も硝酸も放射性の汚れも大水深もマウスのうんちも苦手です” “Findings for iPhone and iPad はフィールドにも、実験台にも、学会にだってついていきますよ” とあります。iPhone も酸や放射性物質の付着は御免ですし細かいことは言いっこなしですが、防水の iPhone 7 以降の機種だと丸洗いもできますし安心感が違いますね。実際、作業状況の写真を撮りながらタイマーをセットして…などの作業は iPhone で直接やるのが便利です。

 

お値段とか

Findings 2.0 は macOS 10.11 以上に対応しています。

基本バージョンは無料ですが、エントリー数が 20 までと少なく、実質お試し版のようなものだと思います。使ってみて、便利だと思った方はエントリー数無制限のプロ版にアップグレード必須でしょう。お試しとしても、実際に沢山エントリーを作成して使い込んでみたい、という方はインストール後、そのまま  30 日のプロ版トライアルを始めることもできます。

プロ版はフルプライス39ユーロのところ、現在はリリース記念2週間限定のセールで 30% オフの 27.30ユーロ になっています。ちなみに、Ver. 1 を購入していた私は、アップグレードを 50% オフで購入可能でした。

学割は 40% オフなので、学生の方はこちらがお得。 feedback@findingsapp.com に学生であることの証明を送るとクーポンコードが貰えます。具体的には、学生証のスキャン画像だったり、所属先の公式書類かウェブサイトに名前が掲載されていることが確認できるものがあればよいみたい。

 

気になる点

現在公開されているバージョンでは、日本語など 2byte文字で行頭を書き出すときに、前の行の末尾に書き込まれてしまうような変な挙動をする不具合があります。行頭に半角で一文字置いてから始めれば問題はないのですが、いらぬ手間ですよね。

日本語入力時の問題については、開発チームも既に認識していて、修正のアップデートを準備中とのことです(ツイッターで開発元 @FindingsApp からリプライがあったのを掲載しました。 [2018/01/26 20:32 追加])。
実は  Ver. 1 の初期にも同様のバグがあり、その時もすぐ治ったのでそんなに長引かないことを期待します。

さらなる機能向上にも期待して、がんがん使います。皆様にもおすすめ。

Evernote など汎用のツールも充実していますが、実験ノートをつけることにかなりフォーカスした Findings のようなアプリがどんどん出てきて、使いやすくなっていくことにも期待しています。気になった方は、まずはアプリをインストールして使い心地を自分で試してみてください=͟͟͞͞( *╹ω╹*)b


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