世はまさに360°カメラ戦国時代!コンシューマー向け360°カメラを牽引してきた リコーからは最新フラッグシップ機種 RICOH THETA V が発表され、9月30日に発売されます。 そして、撮影者を中心にぐるりと周回するような特殊撮影ができる Insta360 ONE も近日発売予定。GoPro も 360° カメラ Fusion を開発中です。
ところで、それら最新製品の特徴をみていると、みな宣伝では 360° 4K 動画が高画質に!編集機能が進化!とか動画の話にフォーカスした紹介を用意していて、私のような静止画のディテールを重要視するユーザーはいまいちどう進化したのか分からないケースが多くなってきています。
スマホやデジカメでぐるぐる撮影したほうがずっと高解像度だってのはこの記事のとおり、分かっているのですが、
それでも Samsung Gear 360 や Ricoh Theta SC も実際に使ってみて、ワンショットで素早く全天球画像を取得できる360°カメラの重要性も分かってきました。ストリートビュー撮影のように撮影地点が極端に多い場合は必須のアイテムですし、その機動力のままに最大限画質を優先したいという需要は常に存在するのだと。
そこで、最新製品を含む市場の360°カメラの静止画解像度にフォーカスして比較を行ってみました。
まずはスペックのまとめです。スチルカメラとしての基本性能に関わる部分を抜粋しています。
360°カメラの仕様比較
機種名 Name | Xiaomi Mi Sphere 360 | INSTA360 ONE | Samsung Gear 360 (Original) | Samsung Gear 360 (2017) | RICOH THETA V | RICOH THETA S (SC) | Kodak PIXPRO 4KVR360 |
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静止画画素数 Photo resolution | 6912x3456 (24MP) | 6912x3456 (24MP) | 7776x3888 (30M) | 5472x2736 (15MP) | 5376×2688 (14MP) | 5376×2688 (14MP) | 7360x3680 (27MP) |
センサー Sensor | 1/2.3 | 1/2.3 inch Sony CMOS | 15MP CMOS | 8.4MPx2 | 1/2.3 | 1/2.3 | 1/2.3 20MP CMOS |
絞り Aperture | f/2.0 | f/2.2 | f/2.2 | f/2.0 | f/2.0 | f/2.4 | |
天頂/水平補正 Image stabilization | Accelerometer, Gyroscope (6軸ぶれ補正) | Accelerometer, Gyroscope (6軸ぶれ補正) | Accelerometer, Gyroscope | Accelerometer | Accelerometer, Gyroscope | Accelerometer | Accelerometer (傾き補正なし) |
シャッター速度 | ~32秒 | 1/4000~60秒 | - | - | 125000~60秒 | 1/8000~60秒 | - |
ISO感度 | 50~600 | 100~6400 | - | ~1600 | 64~3200 | 100~1600 | 100~1600 |
接続 Connectivity | Micro USB, Wi-Fi, | Micro USB, Wi-Fi, Bluetooth, Lightning | micro USB, Wi-Fi, Bluetooth, NFC | USB Type-C, Wi-Fi | MicroUSB, Wi-Fi, Bluetooth | MicroUSB, Wi-Fi, Bluetooth | Micro USB, Wi-Fi, Bluetooth, NFC, Micro HDMI |
ストレージ Strage | microSD ~128GB | microSD ~128GB | microSD ~238GB | microSD ~256GB | Internal 19GB | Internal 8GB | |
耐久性 Durability | IPX67防塵防水, -10°C~45°C対応 | IP67防水 | IP53防塵防滴 | IP53防塵防滴 | 保護ケース (optional) | 保護ケース (optional) | 2m落下耐性, IPX5防滴, IP6X防塵, -10°C対応 |
ストリートビュー対応 | Geotagging | なし | Street View mobile ready | Geotagging | Street View mobile ready | Street View mobile ready | |
メモ | 給電撮影可能 | RAW/LOG撮影が可能 #未発売 | 給電撮影可能 | 給電撮影可能 | #未発売 - 静止画のサイズは変わっていないが画質向上しているらしい |
画素数では Xiaomi Mi Sphera 360 と Insta360 One が全く同じで約7K解像度、Samsung Gear 360 は 2016 年モデルのほうが 30MP でほぼ 8K の画像を取得できます。Kodak PIXPRO 4KVR360 はその間くらい。Ricoh Theta シリーズは解像度では 5K 程度と二回り小さいことになります。GoPro Fusion や Yi 360 VR などここに紹介しなかった動画フォーカスの新製品も静止画は 5K 程度の解像度のものが多い中で、静止画撮影用としてみた時には 7K 解像度の製品が特に気になるところです。
一方で、スペック上の解像度が必ずしも撮影される全天球画像の画質と一対一対応しないのが360°カメラの現状。2枚の魚眼レンズで撮影した画像を貼り合わせることから、レンズ周辺部での画質変化(レンズ性能)、スティッチの自然さ…なども撮影サンプルなどをみて比較していく必要があります。
ユーザーレビューなどを参考にした比較
参考外部記事やユーザーコメントを見て、各カメラやカメラ間比較の印象を以下に列挙します。特に 360Rumors のレビューがかなり詳細で、静止画の画質にもこだわっているので大いに参考になりました。
Comparison review: Xiaomi Mi Sphere 360 camera vs. 2017 Samsung Gear 360
— 360°カメラではメジャーな Samsung Gear 360 と Xiaomi Mi Sphere 360 camera との比較:Xiaomi のほうがよくディテールが描写されている。解像度なりの向上&ダイナミックレンジにも優れる。Gear 360 (2017) は細部をみると塗り絵がち。ただしスティッチ品質は Gear 360 に譲る。
Kodak PIXPRO Orbit360 preliminary review Part 1: first impressions and sample photos
— Kodak PIXPRO Orbit360 は変則的なレンズ構成ながら、採用したセンサーが高画素で、解像度の数字でいくと比較している中でトップクラス (27MP)。しかし、サンプル画像を見る限り、数字のわりにディテールが出ていない。等倍でみるとかなり塗り絵調になっていてノイズ処理が強く掛かっているようだ。スティッチ部分の画質低下や前後のレンズの色や露出の差も他のカメラと比較してイマイチなようです。以下の記事やユーザーコメントから判断。
–タイトルから極めつけですが、2017年8月の段階でのベストなコンシューマー向け360°カメラは Xiaomi Mi Sphere である、という記事。実際、写真の画質も Theta ほどフリンジやフレアがひどくなく、解像度は明らかに上、露出・色合い・ダイナミックレンジも非常にいい感じにまとまっています。HDR機能が無いのですが、それが問題にならないくらい万能型&ディテールの表現はトップ性能でしょう。
なお、この記事が出た後になって Insta360 One が発表されました。静止画の解像度は同等で、動画機能が圧倒的に盛りだくさんな Insta360 One は Mi Sphere の完全上位版とも言える内容になっています。特に Mi Sphere にはない部分として動画配信機能や、3.5K→4Kの動画解像度向上、バレットタイム撮影や360°動画の通常動画へのオーバーキャプチャーなど、動画撮影と編集機能の劇的な進化を味わいたい方は Insta360 One の予約購入が最速ですね。また、Insta360 は iPhone との接続を優先して開発している点も iPhone ユーザーには魅力です。Samsung Gear 360 の初代は iOS 端末に対応していませんし、Mi Sphere はアプリの現バージョンでは iOS で動画のフルサイズ書き出しができません。
静止画撮影については以下の Mi Sphere と Insta360 One は同一解像度となり、現状では最高峰の Mi Sphere に対して Insta360 One がどの程度上回ってくるのかどうか…という所ですね。
Xiaomi Mi Sphere 360 を買った!
GearBest にて、ポチッとな。静止画画質のみの比較では国内価格4万円からの Insta360 One との価格差を正当化するだけの差はないだろうとタカをくくりまして、Mi Sphere を GearBest で購入しました。
Xiaomi つながりで、前から気になっていた初音ミク色のミッドレンジスマホの Xiaomi Redmi Note 4X もつけました(性能そこそこなのに価格はローエンド)。
メインスマホは iPhone 7 なのですが、360°動画のフル機能も使えるようになるし、Street View アプリも Android が先行して対応している機能があるので、そのあたりをカバーできる最低限の性能&価格のものを探していたところでした。Xiaomi 繋がりでこれがコスパ最高のようです。
届くのは一週間後ぐらいになるでしょうか。
Gear 360 や Theta SC との使用感の違いなども確認してみたいと思います。
Insta360 One は Amazon で公式売り出ししてたけど、Xiaomi Mi Sphere は無いようですねぇ。Xiaomi 製品いいもの結構あるけれど日本進出する気はまるでなさそう。
さて、届くのが楽しみです。
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